脳卒中
脳血管が障害されることにより、手足の麻痺やしゃべりにくさなどを呈する疾患です。脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などが含まれます。症状を自覚された場合はすぐに救急車を要請し治療を行う必要があります。
- 原因
- 高血圧症、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病をお持ちの方が多いですが、脳血管がつまれば脳梗塞、破れれば脳出血、動脈瘤が破裂すればくも膜下出血となります。
- 診断
- 頭部CT、頭部MRIを早急に行う必要があります。
- 治療
- 血の塊による閉塞には血栓溶解療法やカテーテルによる血栓回収療法を行います。
脳出血は止血剤や降圧療法、場合によって開頭血腫除去術を行います。
くも膜下出血も同様に止血剤、降圧療法を行いつつ動脈瘤に対して開頭してのクリッピング術やカテーテルを用いてのコイル塞栓術を行います。
認知症
物忘れにより生活が支障される状態となる疾患です。アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などが含まれます。
- 原因
- 脳血管性以外の認知症は基本的には原因不明です。わかっていることは脳内の神経細胞にタンパク質のゴミが溜まることで脱落し、物忘れなど種々の症状を呈すると言われています。
例えばアルツハイマー型認知症であれば、アミロイドベータと呼ばれるゴミが海馬などに多く存在するタイプの神経細胞に蓄積され、多量の神経細胞が脱落することで物忘れを呈するといった具合です。
- 診断
- 問診、神経心理学検査(MMSE、HDS-R、FABなど)、血液検査、頭部MRI、脳血流SPECTを行います。アルツハイマー型認知症の場合はアミロイドPET(ごく限られた施設、神奈川県では3施設のみ)や髄液中のアミロイド定量検査も行う場合があります。
- 治療
- アルツハイマー型認知症には抗アミロイドβ抗体薬を使用することで進行抑制効果が認められています。
脳血管性認知症やレビー小体型認知症など他の認知症は対症療法が主体となります。
パーキンソン病
手の震え、動きの遅さ、歩行障害などが徐々に出現する疾患です。高齢者に多く発症しますが薬がよく効く疾患のため薬物療法が主体となります。
- 原因
- 原因は不明です。
認知症と同様にタンパク質のゴミが動きを制御する神経細胞に溜まることで脱落し種々の症状を呈すると考えられています。
- 診断
- 神経診察が最も重要となります。血液検査、頭部MRI、MIBG心筋シンチグラフィー、DAT-scan、脳血流SPECTも行います。
- 治療
- key drugであるレボドパを始め、薬物療法を行います。またリハビリ療法も効果的であり並行して行います。
症状が進行した場合はレボドパの持続皮下投与(ヴィアレブ®︎)、レボドパの持続経腸投与(デュオドーパ®︎)、脳深部刺激療法を行うこともあります。